あたたかい場所


「おはようございます」

出社すると、フロアに居た数名の社員が僕に目を向けた。


その光景に、違和感を覚えた。

僕、注目されてる?何かしたんだろうか?

そんな風に思いながらデスクにつくと、有村さんから挨拶された。


「あのね、今度の大阪でフェスあるでしょ。

あれ、私と青山くんが同行することになったから」


由香に怒鳴られないで済む、とホッとしたのは言うまでもない。


「神田さんは行かれないんですか?」

「うん。社長と一緒の大きな仕事が入ってね。


それにメンバーが観光したいって言ってて。


青山くん大阪詳しいでしょ」



「はい…え?」