「へぇ…美味しそう。 それにしても詳しいんだね?よく行くの?」 「あ、えっと…」 しまった。ペラペラと喋る大阪人の癖が出てしまった。 「もしかして、大阪育ちだったり?」 「…はい」 確信を持たれているような気がして、思わず頷いてしまった。 この間神田さんにしたような、僕が標準語の理由などを説明した。 会話の中に、美紗の名前が出てこなかったことだけが救いだった。