そんな咲歩の姿を思わずクスッと笑って、あたしも自分の教室に入った。 自分の席に座り、横のあいつの席をチラッと見た。 よかった…… まだ来てない…… ホッとした束の間、女子の黄色い声が聞こえてきた。 キンキンした声、うるさいっ‼︎ 耳を塞いでドアの方をギロッと睨むと、あいつがこっちにやって来た。 「何耳塞いでいるんだ?」 「キンキンした声を聞かないために。」 「ふーん。」