全然仲良くないのにと言おうとしたけど、言えなかった。
咲歩に抱きしめられたから……
「みんなが実里のこと嫌いって言っても、私は絶対に嫌いにならない。それに、実里をいじめる奴は絶対に許さない。」
「咲歩……」
「私はずーっと実里の味方だから。」
あたしにはこんなにもあたしのことを考えてくれる友達がいる。
あたし、本当に幸せ者だ……
「ちょっとトイレに行ってくるね。」
顔が見えないように下を向いて、近くのトイレに行った。
鏡で顔を見ると、やっぱり目が赤かった。
泣いてるところ咲歩に見られなくてよかった……


