女性は俯いてしまった。
僕は適当に男の人の体を診てみる。人間にも少しくらいは魔力があるのだ。大抵はその力を知らないまま死んでいくけど、一部「幽霊が見える」ってやつは無意識に魔力を使って『あちらの世界』の住民を見ている者もいる。要するに、魔力の流れを読み取ればどこが悪いのかわかるってこと。
心臓が悪いのかな?うまく血が循環してないし、一部が腐りかけてる。ま、僕には関係ないことだけどね。
「いいことを教えてあげる。」
「…なんですか?」と女性は力なく呟く。
「弟君は僕が直してもいいけど、君の病気は治せないよ」
「…!!」
少女はばっと顔を上げて僕を見つめた。
「どうしてそれを…」
「君、がんって言うやつでしょ。君は死ぬことが怖くないの?」
女性は弟君に抱きついた。
肩がかすかに震え、嗚咽をもらす。
それでも僕は続ける。
「君は自分と弟君どちらをとるの?」
「ぅぐっ…………私、はーー」
☆★
僕は適当に男の人の体を診てみる。人間にも少しくらいは魔力があるのだ。大抵はその力を知らないまま死んでいくけど、一部「幽霊が見える」ってやつは無意識に魔力を使って『あちらの世界』の住民を見ている者もいる。要するに、魔力の流れを読み取ればどこが悪いのかわかるってこと。
心臓が悪いのかな?うまく血が循環してないし、一部が腐りかけてる。ま、僕には関係ないことだけどね。
「いいことを教えてあげる。」
「…なんですか?」と女性は力なく呟く。
「弟君は僕が直してもいいけど、君の病気は治せないよ」
「…!!」
少女はばっと顔を上げて僕を見つめた。
「どうしてそれを…」
「君、がんって言うやつでしょ。君は死ぬことが怖くないの?」
女性は弟君に抱きついた。
肩がかすかに震え、嗚咽をもらす。
それでも僕は続ける。
「君は自分と弟君どちらをとるの?」
「ぅぐっ…………私、はーー」
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