時の姫と月

扉を抜けると狭くて薄暗い所にでた。
あっ…ここから光が漏れてる。ドアが少し開いていた。
気付かれないように、そっと中を窺う。
一人の女性がテーブルに向かって座っていた。その肩は震えている。
この状況で話しかけたら叫ばれるパターンだね…慣れたけど。
でも女性以外にバレると面倒くさいから、結界でも張っとこーっと。僕と女性を囲うように淡い光が包み込んだ。

「ねぇ!」

僕の声に女性は振り返り……

「きゃぁぁあああ!!」

やっぱり叫んだ。うるさいなぁ。