真夜中、ひとりで星空を眺める。

心地よい風に当たりながらぼーっとするのが、僕の日課。
静かな闇は、僕を包み込んでくれるようだ。
眺めていると、一瞬すっと細い光が闇を裂いた。流れ星…か。所詮はただの星屑なのに。

『ねぇ』

澄んだ鈴の音が静寂を破る。声のしたほうを向くと、三日月が煌々と輝いている。

『まだ続けるつもりなの?』

悲しそうに、そう、僕に問いかけた。
それに僕はまたか、と思う。いつもこの質問をしてくるのだ。
少し考えて、今日はちゃんとした答えを用意してやった。

「散りゆく星などに、どんなに願いをかけても、叶える力なんて残っていない」

だから…と言葉を繋げる。

「人間には僕が必要なのさ♪」