彼女はやっぱりベッドの縁に突っ伏して眠っていて、俺は彼女を起こさないようにタオルケットを肩に掛けた。 二、三時間、前の出来事。 彼――静さんも、静かに寝息を立てている。 ふたりの寝息と、俺の呼吸、鼓動。腕時計の秒針が、かすかに、けれど正確に時を刻む。 それ以外は、一切の静寂がこの空間を支配している。 壁に寄り掛かりながら、俺は目を瞑った。 そして、考える。 彼が自殺を謀った、否、謀らざるを得なかった理由を――。