――ぱたん。 閉まるドアの音に、思わず身体の力が抜け、膝を突いた。 「……良かった……」 スラックスに、生温い水が染みを作った。 漏れそうになる嗚咽を堪え、唇を噛む。 よかった。 無事で。 生きていて。 安堵に胸を撫で下ろした俺は、涙を止めることが出来なかった。