静かに立ち上がった彼女は、音もなく俺に歩み寄って 「鹿羽夜魅(しかばねやみ)、よろしくね」 差し出された手を取ると、死人のような冷たさが掌から全身へと駆け巡る。 にっこりと俺を見上げる彼女の顔は、笑顔と呼べる造形をしていたが、何か背筋を寒くさせる冷ややかなものだった。 この瞬間を、俺はきっと一生忘れない、否、忘れられないだろう。