「まさか……静さんが涼子さんを殺害した“後に”誰かが遺体に――」

「入れたのよ。飛び切り切れ味のいいメスを」

 涼子さんの無惨な姿を思い出したのか、静さんは目元を手で被った。

 そんな彼の背中を、彼女は撫でた。

「ごめんね。ホントは、キミの前でこんなこと話したくなかったんだけど」

「いいんです。……僕、あなただけは信じられるから」

「ありがとう」

 彼の言葉に応えるように、彼女は彼の手を握り、微笑んだ。とても、優しく。