頭上で響いた、聞き覚えのあるその声に
あたしはびっくりして思わず出しかけていたスマホを落としてしまった。
「……って、何やってんのお前」
あたしが座っている椅子の近くに落ちたスマホをしゃがみこんで取ってくれてる、大地。
「ほら」
「あ、うん、ごめん…」
なんだろ、変に緊張しちゃってうまくしゃべれない。
なに、これ。
あたし、ダサすぎ。
………そういえば。
さっきまでは、あんなにうるさかった教室。
なのに、今は静まり返っている。
あたしはそろそろと恥ずかしさでうつむかせていた顔をあげた。
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