「う…ん。家族と色々あって…」 大地は家族でいいんだよね? お兄ちゃんになるんだし、一緒にすんでるし。 「ふーん」 って。中西くんは自分から聞いてきたくせに素っ気ない返事を返してくる。 軽くいじけていると、頭上で微かに笑う声。 あたしより20センチ近く身長が高い、長身な彼を見上げると。 「ちょっと!なんで笑ってんの!」 「矢沢ってほんと面白いよなー」 中西くんは笑いながら、 「じゃ、俺こっちだから」 体育館の方を指した。