いつもより30分はやく起きた。 洗面所に向かうため、階段を下りていると一回の寝室から出てきたおばさんと遭遇する。 「あら、志織ちゃん。おはよう」 「あ、おはようございます」 寝癖が気になって少し頭に手をやりながら答える。 「早いのね」 「え、えぇ。まあ…」 昨日のことで大地と顔を合わすのが恥ずかしいなんて。 あたし、こんなに純情だったっけ? と思うほど大地のことを意識してしまっている自分がいる。