「あれ?大地は?」


「まだ寝てるんじゃない?志織ちゃん、起こしてきてくれないかな?」


え…

頬がひきつるあたしを見てごめんねえ、と全然申し訳なくなさそうなおばさん。


嘘でしょ。



仕方なく来た道を引き返して、自分の部屋の隣の部屋に。



柄にもなく、緊張する。



コンコン。

「大地?起きてる?」


軽くノックして、呼び掛けてみるけど返事はない。