そのあと、 

レジ店員の外山さんはやっと会計をすませて、

僕に“はちみつレモン”とかかれたペットボトル

を渡した。

営業用とは思えないくらい、とびっきりの笑顔

をそえて。


ペットボトル一本を買うためにこんなに時間を

かけたのは初めてだった。



しかし、その時間はけして無駄ではなかったと

僕は思う。

何故なら、僕がペットボトルを買ってコンビニ

外山を出たあと、外山さんは、


“コンビニ外山のレジ店員の外山さん”
                 ではなく
“さっき出来たばかりの僕の友達の外山さん”
                  へと、


僕の中で小さな

でも確かな変化を遂げていたからだ。