びっくりした。

まさか、日常生活で手話が使える人に会えるなんて。

その店員は、僕が手話で質問すると、にっこり

笑って手話で返事を返してくれる。

例えば、こんなふうに。


「ねぇ、ここコンビニなのに、何で24 時間開いていないの?」


「… それはですね、私が1日を25時間にしたからですよ。」


「……へぇ……。」



ちょっと変わっているけれど。それがまたおもしろかった。

彼女は、店員さんではなく、このコンビニに住んでいた。

つまり、コンビニ外山の家の娘の外山さん。


「じゃあ何で店の名前を“コンビニ外山”にしたのさ。“外山商店”とかにしとけばよかったの に。」


「……そっちのほうがかっこいいでしょ?」


「…………。」
 

「そういう問題??」


「そういう問題です。」



自信たっぷりにそう言い切る外山さん。

その姿がまたかわいくて、おかしくて。

僕は次の質問を考える。

このままずっと、会話が途切れないように願いながら。