あの頃の空。

―本当に、最低な男だ。

「…じゃあね」

その場から去っていく私。

「待ってくれ…!それだけが聞きたいんだ、
でないとオレ………き…だっ……ら」

後ろから声が聞こえる。
けれどそれも小さくなっていく。

声は聞こえなくなった。

なぜか、私は涙が少しずつ溢れていた。
なんだか複雑な気持ちだった。

「なんで、私…あいつの話、聞いてやれなかったんだろう…」

心が揺らぐ。
身体も震える。


周りの木々は、新たな葉を身につけようとしている。
なのに、ひとつだけ。
何も準備ひとつできていない、枯れ木があった。

―この木、まるで私かな。。