あの頃の空。

もう帰ろうとしたその時、

「沢本!!」

誰かが呼びかけた。
そっと振り返る。
大倉だった。

息が切れているのか、苦しそうに、

「遅れ…て…ゴメン…な…。あの……さぁ
お前って、好き…なヤツ…とかい…」

私はその場から逃げた。
1時間も待たせて、いきなり質問。
信じられなかった。

それでも大倉は着いて来る。

「待てよ…!ちゃんとオレの話を」

「誰がこんだけ待ったと思うの!!」

声をふさいだ。
聞きたくなかった。

「1時間も待たせて…ずっと寒かったし…
あんたはサイテーな人間よ!
待っていた自分がバカみたい」

手を見てみる。赤くなっていた。