あの頃の空。

―急がないと…
大倉、きっと待ってるだろな……!

学校から大手橋まで、距離はおよそ1.5キロ。
この頃の私にとって、すごく長い距離である。

でも、大手橋まで、ずっと走り続けた。
ずっと、ずっと、走り続けた。
息が苦しくても、それでも―


近所の公園に通りかかった。
時刻は…5時10分。
時間から10分過ぎていた。


大手橋に着いた。
私はすごくばてていた。
もう、人生の大きな苦しみを味わってしまったような。

だけど。

そこに大倉の姿は無かった。


私は大手橋で待ち続けた。
橋の下を泳ぐ魚の姿を、ずっと見つめていた。
途中、知り合いに声をかけられたり、
時には橋のど真ん中で立っていて、車にクラクションを鳴らされたり…
とにかく大手橋でずっと待ち続けた。

でも、6時を回っても…

大倉の姿は現れなかった―