あの頃の空。

光希は小声で続けて話す。

「大倉って…千沙のことが大好きなんだよ?」

「は…」

思わず口がとぼけてしまう。
いや、誰だってそうなるだろう。

「なんか、今日の夕方5時に大手橋に来てってさ。
伝言で伝えと……え、千沙?」

今の時間は4時55分。
大手橋までなかなか時間がかかる。

「先生!!ちょっと用事を思い出したので先に帰ります!」

そう告げて、リュックを背負い、教室から出る。

「沢本さん!ちょっと待ち…」

「千沙、待っ…」

そう聞こえたっけ。
でも無視して走った。


―光希、どうしてそんなこと、早く言わなかったの?!

学校についている時計。
その時計は既に5時を指していた。