脱☆年下系男子





 渉くんのことも、守先輩のことも。


 気になって仕方がなかった。




 ……恐るべし、滝野兄弟。





「……着替えなきゃな」



 あたしはベッドから立ち上がった。

 凹みが少しずつ直っていく。



「もしも、だ」



 もしも守先輩が言う通り、明日、渉くんが来てくれたら。


 すぐに頭を下げて謝りたい。



 ごめんねって。


 それで、あたしから離れないでって。

 理由はまだ分からないって正直に言おう。



 伝えたいことはきちんと言おう。

 積もる思いがこんなにあるんだから。


 あの日、意地を張ってしまってすごく後悔した。


 上手く言えなくて。

 なんて言えばいいのか分からずに口から出た言葉が、もっと渉くんを傷つけてしまった。


 声が喉を通らなかった。

 本当の想いは、渉くんの元まで届かなかった。


 
 だから、君は去って行った。

 あたしは止められなかった。