「うーん……気に入ったから?」
「……は?」
何その理由。
絶対からかってると思ったあたしは、断ろうとする。
「あのね、それって好きじゃないじゃん。絶対む……」
「別に、恋は人それぞれじゃん。ってかさ、ルリちゃんだって、守のどこが好きなの?」
けれどあたしの断りの前に、渉くんは問い詰めながらあたしに近づいてくる。
あたしは戸惑いながら、後ろに下がって行く。
「どこがって……そんなの」
「なに?どこなわけ?答えてよ、早く」
「は、早くって……」
だんだん後ろに下がって行くと、なんと
「バタンッ」
後ろでドアが閉まってしまった。
「え」
それでも近づいてくる渉くん。
あたしはもう、後ろに下がれない。
ヤバい、このままじゃキス出来ちゃう……!
焦ったあたしは、
「賢くて優しくて大人っぽくて、完璧な所!」


