でも、それでも居心地が良かったのは、渉くんの奥底にある〝優しさ〟に触れていたから。
そうか、やっと分かったよ。あたしが渉くんの隣に居たかった理由。
あそこが、あたしの居場所だったからだ。
なんでいつも、大事なことは後から気づいてしまうのかな?
大切な人、守りたい場所。
本当に大事にしないといけないものに気付くのは、いつも失くした時で。
そして、後悔してしまう。
どうしたら、失くさないで済むのか……。
分からないな。
あたしには、難しすぎて。
「先輩、送ってもらって良かったんですか?」
「え?当たり前だよ、そんなこと。それに……渉だってしてたみたいだから」
守先輩はそう言うと、あたしに笑って見せた。
守先輩って、何故か渉くんと張り合ってる気がする……
って、当たり前か。
あたしのこと、好きって言ってたし。
つまりは……もしも渉くんが本気なら、守先輩と渉くんは兄弟であり、ライバルでもあるのか。
なんか、すごいなぁ……。


