脱☆年下系男子






 学校から背を向けるその瞬間。




 あたしは微かに、学ランを着た男の子を見つけてしまった。

 彼の顔は、驚いているように見えた。




 本当に一瞬だったけど、スローモーションに見えた。




 渉くん……?


 あたしは先輩の手で見えにくいけれど、歩きながら振り向いた。




 渉くんだ……




 渉くんは悔しそうに顔を歪めると、あたしと反対の方向に歩いて行った。



「あ、まっ……」


「畑」




 守先輩の手を振り払って後ろを向いた。


 今にも駆け寄りそうだったけど、守先輩に腕を掴まれてしまった。




「は、なしてください……っ」


「嫌。今離したら畑、渉の所に行っちゃうじゃん」




 先輩、気づいてたの?



 渉くんの存在に気付いていて、わざとあたしにあんなことをしたの……?