って、こういうこと言うから渉くんに嫌われちゃったんだよなぁ……
「あ、畑、渉のこと考えてるでしょ」
「え?」
守先輩は少し歩き始めていたが、振り返って言った。
なんで分かったんだろう……
口に出てた、とか?
いや、そんな気はしないけど……
「なんで分かったんですか?」
「俺の前で他の男のこと考えるなんて、酷いな。」
冗談のように笑って言った守先輩だったけど、なんで分かったのかは、教えてくれなかった。
きれいにシカトされた……
これは、話に触れんな的な?
それなら、黙っておこうかな?
「す、すいません……」
「いや、謝らないでよ」
「じゃあ行こうか」と言った守先輩に、あたしは小走りでついて行った。
「お腹空いてる?」
「うーん、微妙かな……」


