脱☆年下系男子






「違う、畑(はた)さんって言って」


 あたしの名字だしね。



「えー、それじゃ全国の畑さんに悪いよ」



 どういう意味だ、どういう!



「はぁ……もう、ルリちゃんでいいよ」



 諦めたあたしは、渉くんに言った。



「よし、ルリちゃん。お願い、してもいい?」



 渉くんは、困ったように眉を下げて言ってきた。



「ん?なに」



 ってか、もう家入りたいんだけど。



「僕と付き合ってよ」


「……はぁ?バカじゃないの?」



 いきなりどうした、小僧。



「いや、これマジな話」


 そう言ってくる渉くんの目は本気だった。



「じゃあ、一つ聞くけど……なんで?」



 まだ半信半疑のあたしは、渉くんに聞く。