あいつ……畑は気づいちゃいないけど、絶対渉が好きなんだよな。
でも……、
『畑は、渉が本当に好きなんだね』
そうさっき言ってたのに、あいつには聞こえて無かったみたいだった。
今日、畑が泣いてるのに困らすようなことをしたのは、悪かったと思ってるよ。
告白なんてして。
でも、泣いてる姿を見て、どうしても黙っておけなかったんだ。
ま、俺に、付け入る隙はなさそうだな。
……両想い、なんだから。
ただ、まだ畑は自分の気持ちに気付いていない。
それって……俺に気持ちが動くこともあるってことだろ?
なら、頑張って畑を手に入れてみせる。
渉には……負けないから。
「おい、守!」
「あぁ?ノックぐらいしろよ、着替えてるんだから。」
いきなりドアが開いて、渉が入ってきた。
「ルリちゃんは俺のモノだから。守に付け入る隙間はねぇよ!」
「……いきなりなんだよ」


