「だ、誰に?」
「決まってんじゃん、畑にだよ」
「この前フッたじゃんか」
「その後、好きになって」
「マジかよー……」
「ま、フラれたけど」
あ、こいつムカつく。
「何ほっとしてんだよ」
俺がフラれたって言ったら、安心しやがって。
「べ、別にー」
「ま、お前がそんなんだったら、俺が畑を手に入れるのも時間の問題だな」
そう言うと、渉はすごい嫌そうな顔をした。
ま、余裕のある奴は違うよな。
「……守なんかにはルリちゃんはあげないから」
「じゃあ、畑を泣かすなよ。何があっても大事にしたら?お前の対応によっちゃあ、俺がもらう」
「……絶対嫌だ」
そこまで好きなら、今すぐにでも会いに行けバカ野郎。
俺は二階の自分の部屋へと向かった。


