脱☆年下系男子





 また悲しくなってきた。




「……そうですか。じゃあ、もう帰りますんで」


「あ、うん。送っていこ……」


「いいです、帰れますから」


「あ、そう……じゃあね」


「はい、さようなら」




 あー、めんどくさい。



 あたしは立ち上がって歩き出した。



 しかしすぐに後ろから声を掛けられたけれど。


「あ、悩んでることがあったらいつでも言っていいからー!」



 誰が言うか。


 ってか、悩み事を作ってるのあなたです。



 ……なんか、あたし性格悪くなっちゃってる?




 そう思いながら、家へと歩いて行った。








「げ、ハンカチ」


 と、気付いたのは、歩いて5分経った時。


「明後日、めんどくさいけど洗って返そうかな」


 あたしは紫のハンカチをポケットに入れた。