その確かな気持ちを感じながら。
去っていく渉くんの背中を、ぼんやりと見つめた。
誰もいなくなっても、あたしは止まったまま。
渉くんの去って行った方向を見つめていただけ。
なんで、言えなかったんだろうか。
理由は分からないけど、渉くんの隣にいてたいって気持ちは強かったのに。
失くしてしまった。
もう、渉くんには会えない……
あたしは全然大人じゃない。
ただ、意地っ張りなだけ。強がりで、素直じゃないだけ。
子供、ガキ。
それは、あたしだったんだ……
「しょぅ、くんっ……」
やり直せない。
なんてことをしてしまったんだろう……
渉くん、渉くん……


