奥ねぇ……
見ると、そこにはピンク色のビル。
ビル……大きい看板のおかげでお店の名前が見えた。
ほ、てる……ロミオとジュリエ、ット……?
………ほ、ホテル!?
それは、看板からも分かるけれど〝ラブホテル〟。
あ、それにあそこら辺は確か……
街でも有名な、ラブホ街。
……つまり。
「い、いいい」
「ね、ダメ?」
そんな可愛くお願いしても、意味ない。
ってか、絶対あたしの反応を楽しんでるよね……?
目が光ってるんですけど……!
「いっ……行かないからーー!!」
あたしはそう叫んで、家に全力疾走していった。


