守先輩に話を振られたあたしは、俯きながら否定した。
「え?畑……?」
守先輩は、驚いたように声を出した。
違う、あたしが渉くんと居るのは……
「あたしは、渉くんの友達です。友達だから、一緒にいるんです。ただ、それだけです。先輩の弟だから居るのではなく、もちろん、渉くんに付き合っている訳でもありません。」
俯いていた顔を上げて、あたしは守先輩の目を真っ直ぐ見つめた。
「畑……」
守先輩は、少し驚きながら呟く。
「……あ、」
あたしは、素に戻った。
な、にやってるんだろう……守先輩の前なのに!
「え、っと、あの……ご、ごめんなさい!渉くん、いこっ」
あたしは、守先輩に頭を一瞬下げると、渉くんの手を引いて走って校舎を出た。
「あっ、畑!!…………なるほどねぇ」
そんな声が聞こえたけれど、恥ずかし過ぎて無視をするしかなかった。


