「あ、ルリちゃん?」
「え、はい。そうですけど……」
ドアを開けると、そこにはあたしよりも少し背の低い、可愛らしい男の子が立っていた。
……誰だろう?
中学生?
その子をじっと見た。
あたしの知り合いではない。
けれど、〝ルリちゃん〟なんて馴れ馴れしく呼ばれると、知り合いかなと思ってしまう。
「えっと、どなたですか……?」
少し引きながら聞いた。
「僕、渉(しょう)だよ。滝野(たきの)渉。」
男の子は笑いながら言う。
でも、そんな名前知らない。
「滝野渉?……誰?」
「ははっ、やっぱり知らないんだ。ほら、ルリちゃんの友達にいるじゃん」
……はあ?
このチビが、あたしの友達?
「誰、それ。」


