脱☆年下系男子






「あ、ルリちゃん?」


「え、はい。そうですけど……」




 ドアを開けると、そこにはあたしよりも少し背の低い、可愛らしい男の子が立っていた。




 ……誰だろう?


 中学生?


 その子をじっと見た。



 あたしの知り合いではない。


 けれど、〝ルリちゃん〟なんて馴れ馴れしく呼ばれると、知り合いかなと思ってしまう。




「えっと、どなたですか……?」



 少し引きながら聞いた。


「僕、渉(しょう)だよ。滝野(たきの)渉。」


 男の子は笑いながら言う。



 でも、そんな名前知らない。


「滝野渉?……誰?」


「ははっ、やっぱり知らないんだ。ほら、ルリちゃんの友達にいるじゃん」




 ……はあ?


 このチビが、あたしの友達?



「誰、それ。」