「え、ちょ」
少しずつ近づいてくる渉くんに戸惑うあたし。
あたしはほとんど冗談のつもりで言ったし、キスされる前提の話では……なかったんだけど!
「だって、ルリちゃんが言ったんだよ?証明しろって」
「ちょ、待ってっ……」
「待たない」
あたしはブランコを漕いで阻止する……のも、渉くんがブランコを掴んだので出来ない。
渉くんの唇が、近づいてくる。
長い睫毛が、瞬きをして揺れる。
そんな小さなことにドキドキする。
渉くんとキスまであと1㎝もなくなりそうになった時。
「……嘘です!!」
あたしは目をギュッと瞑って叫んだ。
「……嘘?」
そのままの体勢で少し驚いた顔をする渉くん。
「別に、証明とか要らないし!……だから、離れてっ……」
あたしは恥ずかしくなって、少し下を向いた。
「……そっか」
渉くんは少し残念そうに呟いた後、ゆっくりと顔を離していった。


