悠夢はきっと、あたしを恨む気持ちでいっぱいだったんだろう。


 仕方ないよ、当たり前だよ。

 そうなるのも、分かるよ。


 あたしだって、綺麗な心を持ってるわけじゃないからさ。




「ううんっ」


 あたしは首を横に振る。




 悠夢は、最低なのかもしれない。


 けれど、あたしはもう、悠夢だけを責められない。

 悠夢だって辛かったんだから。


 悠夢だけが悪いんじゃない。



「けど、お姉ちゃんの顔、見た時に……すごく、後悔した……。なにしてるんだろうって……怖くなった…おねえ、ちゃんにきらわれちゃっ……」


 悠夢は泣きすぎて、上手く喋れてない。



「……だい、じょうぶっ……嫌いじゃないから……」


 あたしは、もっと強く悠夢を抱きしめた。




「ごめんなさいっ、お姉ちゃん……」


「あたしもっ……悠夢の気持ちに、気付いてあげられなくて…ごめ、んね……」



 あたし達は、声も肩も震わせていて、泣いていて。

 けれど、抱きしめあう手だけは、震えてなかった。



 本当の姉妹に、なろうね?悠夢。