脱☆年下系男子







 あたしはただ、逃げてたんだ。



 怖かっただけで、勇気がなかっただけで、大事な妹を傷つけてるのに、なにがお姉ちゃんなの?


 ううん、だからダメなんだ。


 お姉ちゃんなんて〝立場〟でしか悠夢を見ないからダメなんだ。


 あたしは、悠夢を見てない。

 妹を見てるだけで、悠夢自体を見てなかった。


 自分勝手で、自分のことしか考えなくて。

 おまけに、悠夢をちゃんと見てなかった。


 最低って言葉は、あたしに向けられる言葉だ。



 三尾先輩が、あたしを責める人はいないって言ってたな。


 ……いる。

 ここにいるよ。


 あたしが、あたしを責めてる。

 最低って、言ってるよ。




 手に、冷たいものが当たる。


 ……涙だ。

 あたし、泣いてる……。




「……あのねっ、デートの、時にお姉ちゃんと会って、あ、たし……壊れちゃったの。我慢、が出来なくなった」


 悠夢は話を続ける。



「もう、お姉ちゃんと笑顔で話せないって……思った。あたし、怒ってなんかなかったよ……?お姉ちゃ、んと話し、たら…最低な自分に、なっちゃう気が、したんだ……」


 悠夢はこぼれる涙を堪えずに、話を続ける。