あたしはただ、逃げてたんだ。
怖かっただけで、勇気がなかっただけで、大事な妹を傷つけてるのに、なにがお姉ちゃんなの?
ううん、だからダメなんだ。
お姉ちゃんなんて〝立場〟でしか悠夢を見ないからダメなんだ。
あたしは、悠夢を見てない。
妹を見てるだけで、悠夢自体を見てなかった。
自分勝手で、自分のことしか考えなくて。
おまけに、悠夢をちゃんと見てなかった。
最低って言葉は、あたしに向けられる言葉だ。
三尾先輩が、あたしを責める人はいないって言ってたな。
……いる。
ここにいるよ。
あたしが、あたしを責めてる。
最低って、言ってるよ。
手に、冷たいものが当たる。
……涙だ。
あたし、泣いてる……。
「……あのねっ、デートの、時にお姉ちゃんと会って、あ、たし……壊れちゃったの。我慢、が出来なくなった」
悠夢は話を続ける。
「もう、お姉ちゃんと笑顔で話せないって……思った。あたし、怒ってなんかなかったよ……?お姉ちゃ、んと話し、たら…最低な自分に、なっちゃう気が、したんだ……」
悠夢はこぼれる涙を堪えずに、話を続ける。


