悠空ちゃんは顔を上げた。
「……知って後悔するようなことはないよ。あたし、全部知ってるから。……きっといつか、今を後悔すると思う」
その目は真っ直ぐで、嘘なんてついてないって分かった。
なんの話か分からなくて、首を傾げる。
悠空ちゃんは話し出した。
「……あの日、悠夢から電話が来たんだ」
悠空ちゃんが言う〝あの日〟とは、きっと悠夢と渉くんがキスしてたあの日のことだろう。
「悠夢、泣いてた。最低なことしたって。お姉ちゃん傷つけちゃったって。そう言って泣いてた。」
「……うん」
「悠夢がしたことは最低なんだと思う。でも、悠夢はそれほど必死だったんだと思う。……出来ることなら、許してあげてほしい。それが無理でも……話し合ってほしい。怖いとか言わないで、向き合ってほしい」
「……うん」
悠空ちゃんは、今にも泣きだしてしまいそうだ。
それだけ、悠夢を心配していて、気にしてるんだろう。
「あたし、それだけを言いに来たの。……あとね、滝野くんとも話し合ってね?本当、滝野くん可哀相なんだもん」
そう言うと、悠空ちゃんは笑った。
あたしは悠空ちゃんを見つめた。
「なんで?」
「だって、滝野くんは巻き込まれちゃってるんだよ?畑姉妹に振り回されて、超可哀相!瑠梨姉も、本当のこと知ったらそう思うよ」
悠空ちゃんは、爆笑しながらお腹を抱えている。
「だからね、真実を知ったら、滝野くんにキスしてあげてね?」


