「え?あ、そう……」


 あたしは玄関に入ってもらって、座るように言った。



 あたしと悠空ちゃんは玄関で座る。



「どうしたの……?」


「……悠夢のこと、嫌いですか?」


「は……?」


 悠空ちゃんは下を向く。

 そして、膝の上に乗せている両手をぎゅっと握った。



「悠夢のこと、嫌い?瑠梨姉、許せない?悠夢を」



 どうやら、悠空ちゃんはあのことを知っているようだ。


 あたしは、小さい声で言う。


「嫌いじゃ……ないよ?でも……許せない」


「……嫌いじゃないなら、悠夢と話して?悠夢、いつも泣きそうなの。必死で堪えてるの」


 そうだろうね……。

 でも、話す勇気がないんだよ。



「……ごめん、それは怖くて出来ないや」


「なんで?」


「知りたくない……からかな?悠夢と渉くんの関係を」



 まだどこか夢心地なんだ。


 だから、現実を突きつけられたくない。



 情けないしか言えないや。