「はーい」
玄関のドアを開けた。
宅急便だと思っていたあたしは、目の前にいる人を見て、驚いてハンコを落とした。
目の前に立っている人は、あたしを睨んでいる。
「悠空ちゃん……」
あ、悠夢か。
そう思って後ろを向くが、悠夢はいない。
多分自分の部屋にいるんだろうけど、降りてくる気配がない。
「あ、悠夢だよね……?」
何故かずっとあたしを睨んでいる悠空ちゃんに話しかける。
悠空ちゃんは睨んだまま、
「いいえ、違います!瑠梨姉に話!!」
と、言った。
「あ、あたし……?」
なんで?
不思議に思いながら、あたしは
「とりあえず、入る?」
と、言った。
悠空ちゃんは首を横に振る。
「ここでいい!」