脱☆年下系男子






 やっぱり、悠夢だ。



 あたしは返事は返さず、ただドアを見つめた。





「話……聞いて?」


「…………」



 聞く勇気ないんだよ、ごめんね。





 悠夢の頬には、あたしが打った跡が残っていた。


 昨日、あたしが帰って来た時に玄関で座ってた悠夢は、あたしを見ると、立ち上がって笑った。

 あたしはそんな悠夢を置いて、自分の部屋に入って行った。



 まだ覚えてる。


 悠夢の腫れた目を。

 崩れそうな笑顔を。




「……じゃあ、あたしは嫌っていいから、滝野くんだけは……嫌わないで」


「……え?」



 喋る気なんてなかったけど、驚いてつい答えてしまった。



「何も悪くないの、滝野くんは。お姉ちゃんが思ってるようなことはないの。本当に……」



 渉くんと同じようなことを言ってる悠夢。


 泣いてるのか、声が震えていて、鼻を啜る音も聞こえた。