「意味分かんない。キスしてたのに、おかしいでしょ?そんなの」
もう、耐えられない。
あたしは泣きそうになるのを堪えられなくなって、後ろを向いて歩き出した。
「ルリちゃん!本当、違うんだよ!信じて!!」
ごめん、渉くん。
信じたいけど、信じられないよ。
信じられない。
見ちゃったんだよ、見ちゃったの。
噂だったら、否定できたのに。
写真だったら、合成で済ませたのに。
目の前で見ちゃったんだよ、あたし。
なのに、信じるなんて出来ないよ。
ごめん、渉くん。
君を、最低ってしか思えない。
許せない。
あたしは、言い訳は聞きたくないの。
そんなんじゃ許せないの。
あたしは心が狭いから、勇気ないから、
だから、ごめんね……。
あたしは振り返ることなく、家まで帰って行った。


