脱☆年下系男子






「ルリちゃん、話聞いて……」


 そう言った渉くんの声は震えていたし、小さくかった。


 あたしは少し驚く。



 あたしの知らない渉くんだったから。


 あたしが怒っただけで、もう潰れてしまいそうな弱い男の子になるなんて。

 あたし、そんな渉くん知らない。



 本当は、じっくりと話を聞きたい。


 今すぐ抱きしめたい。

 抱きしめてほしい。



 けれど、そんな勇気ないから。



「嫌。もう来ないでって言ったじゃん。帰って」


「……嫌だ。だってルリちゃん、誤解してる」



 渉くんは震える拳にぐっと力を込めて、あたしを見る。


 確か、昨日もそんなこと言ってたな。



「……誤解?そんなのしてないよ、キスしてたじゃんか」


「そうだけど……でも、本当に誤解なんだって!ルリちゃんが思ってるようなことはなにも……」



 はあ?


 この期に及んでそんなこと言うか?普通。



 そう思って、信じようとしてる自分を封じ込める。