もう放課後だ。
今持っている靴を履いて校門を出れば、何も言われない。
今日はこれでおしまいだ。
正直、色々言われて、その上、噂に噂が乗っかって尾ひれ背ひれがついた噂を聞いて、疲れた。
やっぱり、ひそひそと話されたり、変な目で見られるのは嫌だし、気にするし。
精神的にクタクタなあたしは、みんなの視線を感じながら校舎を出て行った。
「今日も平手打ちすんのかなぁ」
なんて声が聞こえる。
渉くんいないし、しないから。
まあ、もしするなら、あんたにしてやるよ。
なんて、少しイラつきながら校門のところを曲がる。
「ルリちゃん!」
そんな、聞き慣れた声が聞こえて、肩を落とした。
だって、ただでさえクタクタなのに、泣きそうになるのをまた我慢しなきゃならないんだから。
気づけば、周りに人だかり。
……野次馬ってやつか。
あたしは息を一つ吐いた後、後ろを向いた。
「……なに?」
目の前には、やっぱり渉くんがいた。
あたしが打った跡だけじゃなく、守先輩に殴られた傷の跡が目立っている。


