「あ、泣き止んだ?」



 そのままの体勢で10分ほど経った後、渉くんが言ってきた。


「……なんかムカつく」



 その言い方はやっぱり上から目線で、あたしは渉くんの肩に頭をグリグリさせながら言った。



「痛いって。ってか、長いねぇ。そんなに守が好きだったわけ?」


 あたしの肩を抱く手に力を入れながら、渉くんは言う。


「……だったかなぁ」


「そうなんじゃない?もしも外面だったとしても、好きだったんだよ。……多分」


「多分って……ふふっ」




 小さいくせに一丁前に慰めたり、抱きしめたり。そして、最後に「多分」。


 面白くて笑ってしまった。



「何笑ってんだよ……ってか、こっちは焼いてんだよ」



 ……?


「なんで?」


「だって、一応告白してるし」


 渉くんはちょっと恥ずかしそうに言った。



 告白……?


 そんなの、されたっけな?