脱☆年下系男子





 風はしゃがんで、渉を見る。


 そして、


「ごめん、守」

 と、謝りながら渉を殴った。




「……もう、いい。」


 渉は立ち上がって、俺を見た。




「ルリちゃんのこと、俺がどんだけ好きか守は知らねぇのかよ。」


「……すごい好きなの、知ってるよ。だから、俺は負けた。けど、今のお前だったら勝てる」


「いいや、守は勝てない。だって、俺の気持ちは変わってねぇからな」



 そう言った渉の顔は、自信に満ち溢れていた。


 俺は、残念ながらこいつの兄だ。

 渉は嘘をついてないって、分かってしまった。


 でも、他の奴には分からないだろう。



 俺は少し不思議になる。


 気持ちが変わってないのに、なんで渉は浮気したんだ?



「だから、そういうのが嫌いなんだって」


 風は立ち上がって、渉を睨んだ。


 けれど渉は、風を無視して俺に話しかける。


「だから、渡さない。……守、お前なら分かるよな?兄弟だから。」



 俺はただ、茫然と立ち尽くす。