「……俺は、絶対嫌だ。守なんかにルリちゃんを渡さない!!」
そう強く睨む渉を、俺は呆れてしまった。
なにを言ってんだ、こいつ。
信じられない。
「……意味分かんねぇ」
そう言ったのは、俺じゃなかった。
俺も言おうとしたが、そいつに言われてしまった。
俺は声がした後ろを振り向いた。
「風……」
「それはちょっとないなぁ、渉くん?」
風は渉に近づく。
渉は立ち上がっていた。
けど、風がすごい力で押したから、また渉は座り込んだ。
「俺さ、話聞いてて思ってたんだけど……お前、都合良過ぎだから」
「……誰だよ、あんた」
「お前の兄ちゃんの友達」
渉と風は知り合いではない。
渉がそう言うのも無理はない。
「散々傷つけときながら、離さない?自分の物だぁ?俺さ、そういうの嫌いなんだよね。守の弟でも」


