俺は、ありがとうの気持ちを込めて笑った。
風はさっきは睨んでた。
俺が怒って何かしないように。
でも、それがない。
風は俺を止めなかった。
つまり、渉には手を出してもいいってことだろう。
俺は殴る準備をしながら歩く。
って言っても、拳に力を込めただけ。
俺が歩くと、野次馬は道を開けた。
だから、すぐに渉の目の前に来た。
「渉?歯、食いしばれよ」
俺はそう言うと、渉の顔を思い切り殴った。
「……ってぇ!なにすんだよ!」
そう言う渉の胸倉を掴む。
渉の口の少し下、血が出ている。
そんなこと、どうでもいい。
「これじゃあ、たりねぇな」
俺は、ふっと笑った。
渉は俺を睨んでいる。


