バカみたいに、大声で泣いた。

 声を上げて泣いた。


 顔なんて隠さなかった。


 幸い、人は通ってないけど。


 でも、本当は誰かに通ってほしかった。

 誰でもいい、今のあたしを見てほしかった。

 あたしの悲しみを、知ってほしかった。



「うわぁぁぁぁ!!」



 なんで、こんなことになるの?


 渉くんって、そんな人だったの?



 当たり前だよね。


 意地悪だし、生意気だし、やっぱガキだから。


 ガキって言葉、一生言いたくなかったし、思いたくもなかった。

 でも、仕方ない。

 だって、ガキだもん。



「ガキガキガキガキ!渉くんなんて子供だーー!」



 だけど、全て嘘だなんて思えないよ。


 守先輩のことで泣いたあたしを慰めてくれたことも?

 あたしが少しからかうと頬を赤く染めることも?

 ちょっとおせっかいで、バカみたいに素直なのも?



 全部、嘘?