「本当に、ここでいいの?」


「うん、いいの!じゃあ、また明日!」



 和葉の家はあたしの家に向かう途中にある。

 それで、今は和葉の家の前。


 和葉はあたしを心配してか、自分の家の前なのに送るなんて言い出した。


 でも、それを断ってさよならを言った。



「うん、じゃあまた明日!……ね」


 あたしの泣きそうな笑顔に、笑顔で返した和葉。


 あたしが歩き出した時、和葉は悲しい声で「……ね」と言って、あたしの涙腺は崩壊しかける。


 あたしはなんともないような顔をして、歩いて行く。


 でも、それは和葉の家からでも見えない様な場所に来て、プツッと切れた。




「……うぅ」



 無理だ、やっぱ。


 完璧には強がれない。

 自分の心に嘘はつけない。

 すぐには立ち直れない。

 きっぱりと割り切れない。

 ずっと我慢なんて…できない。




 あたしはその場に、力が抜けるように座り込んだ。